そして当方がSTAXのイヤースピーカーを愛好し始めてから 40年近く経ちました。
当時はフラッグシップであった ” SR-009 ” を含め、数多くのモデルを所有し 趣味で収集してきました。
その日の気分次第で取っ替え引っ替えしながら 、様々なイヤースピーカーを愉しんでいます。
スタックスのコンデンサー型は、ミクロン単位な精度が要求され、製造には極めて細心の注意が必須なため
熟練の職人達により工程の殆どが、未だに手作業で製作されているなど、ある意味 非効率的な手法で造られております。
残念なことに 我が国の現代では失われつつある、正に Made in Japan の真髄を地で行く孤高の存在であり続けています。
その技術を磨き続けて、何十年も長きにわたりアイデンティティを守り抜いた、歴史と伝統あるメーカーでございます。
静電型では、(ほぼ)独壇場であります STAXのコンデンサー型イヤースピーカーは
世界的な評価を確立しており、その極めてクリアでピュアな純度の高い音は、無色透明で潤いに満ちており
瑞々しく 艷やか、清楚で麗しい優美な美音が特徴的で、抜群の音のヌケや粒立ちのよさ
分解能に優れ 且つ 聴き疲れのしない その爽快なテイストは、これぞ STAX!でございます。
空間表現力に優れ、音場が とてもワイドに展開されることも、持ち味の一つではないでしょうか。
イヤースピーカーを鳴らすにあたり、組み合わせるドライバーアンプが
極めて重要なファクターであることは、経験上 痛切に感じております。
2017年に待望の弩級ドライバー SRM-T8000 (654,500円) が登場して以来
ラインナップの再構築を迫られていた感がありましたが、つい先日には
各ドライバーアンプが全面的に刷新され、価格がグンとアップいたしました。
【SRM-700T=327,800円//SRM-700S=327,800円//SRM-500T=132,000円//SRM-400S=121,000円】
『SRM-007tA→700T//SRM-727A→700S//SRM-006tS→500T//SRM-353X→400S へモデルチェンジ』
個人的に感じたのは、フルモデルチェンジの割には、従来の内容を継承したような回路構成で
大幅なコスト上昇分を反映しているかといえば、期待も大きかった分、少々 ガッカリでした。
以降、SRM-T1S~SRM-006t とモデルチェンジを経て、熟成を重ねてきました。
大きく改良が進み、非常に内容の濃い 一台になりました。
同時期に登場した "SRM-007tA" と同様のフロントパネルを与えられたことで
外観デザインの高級感が、格段に増しましたし
内部も相当 手が加えられ、回路やパーツの大幅な見直しや
真空管のヒーター電源が、ショットキーバリアダイオード&大容量ケミコンの
整流回路を用いた低リップルの DC電源に改められたこと。
出力リレーは、各3系統 Lch/Rch とも独立した 6個を装備するなどの
ブラッシュアップが結実したことにより、Fレンジが飛躍的に向上。
(SRM-006t=DC~44,000Hz → SRM-006tA=DC~80,000Hz)
XLR入力も 旧来の3番HOTから、ようやく2番HOTに改められました。
放熱のために、上面の通風孔が大きめに造られています。
そのため、ホコリなどが内部に溜まりやすいので、エアブローし清掃致しました。
ついでに基盤部を撮影いたしましたので、参考になさってください。
原則 ノークレーム・ノーリターン・ノーキャンセルでお願いしたいと思います。